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2020.06.11 コラム

障子紙の種類など、障子に関する基礎知識

「障子紙を張替えるタイミングがわからない」「障子紙の種類ってどんなのがあるの?」と思っている人はいませんか?障子が破れていたり汚れていたりすると、せっかくの和室の和やかな雰囲気が台無しになってしまいます。今回は、障子に関する知識や張替え時期についてご紹介します。

 
1.障子紙の種類
障子紙には、大きくわけて「和紙」、「プラスチック紙」の2種類があり、さらに和紙は「手すき和紙」、「機械すき和紙」に分けられます。一般的に、和紙は暖か味があり和の雰囲気に馴染みやすく、プラスチック紙は丈夫なものが多いといわれています。では、3つの障子紙について紹介します。
・手すき和紙
手すき和紙は、クワ科の植物である楮(こうぞ)の含有量で紙質が変わり、一般的には40%以上と、20~40%未満の二つに分けられます。楮が、40%以上含まれている和紙は昔ながらの製法で作られ、職人が1枚1枚丁寧に作っているため、値段が和紙の中でも高いです。一方、楮の含有量が20以上~40%未満の和紙は、楮にパルプなどの植物繊維が加えられており、若干質が落ちます。そのため、障子紙の質にこだわりたいという人は、楮が40%以上含まれている手すき和紙を、値段を抑えつつ良い和紙を使いたいなら、20~40%未満のものを買い求めるといいでしょう。
・機械すき和紙
機械すき和紙は、紙に含まれる成分の違いで3つに分類されます。
機械すき楮和紙…素人目では、手すきなのか機械すきなのか判別できないほどの質、楮にはマニラ麻やパルプなどの植物繊維が加えられている、40%以上の手すき楮和紙に比べると質は劣る
レーヨン障子紙…植物繊維のパルプに化学繊維のレーヨンが40%以上加えられている、光沢と強度があるという特徴を持っている、実用的な和紙として障子紙に使用されることが多い
パルプ障子紙…障子紙の中でも強度が弱く破れやすい、植物繊維のパルプが80%以上配合されている、紫外線に弱く劣化が他の障子紙よりも早い、定期的に張替える必要がある
・プラスチック紙
プラスチック紙は、和紙を薄い塩化ビニール製のシートで挟むことによって作られています。そのため、手すきや機械すき和紙と比べると丈夫で破れにくいのですが、和紙の特徴的な見た目は損なっていないため、充分和のテイストを演出することができます。障子紙は、一般的に障子用糊を使って貼りますが、プラスチック紙はアイロン貼りタイプや両面テープタイプがあり、素人にもわかりやすい方法で貼ることができるので、非常に張替えがシンプルです。
 
2.障子紙を張替えるタイミングはいつがいい?
家によって、日当たりや使用状況が異なるため明確な障子紙の張替え時期はありませんが、一般的に3つのタイミングで行われることが多いです。これから紹介する、張替えタイミングはあくまで参考に、実際の障子の様子を見ながら判断しましょう。
・梅雨の時期
障子紙の張替えは、1年の中でも梅雨の時期に行うといいです。なぜなら、湿気によって障子紙が伸びるため紙が貼りやすくなり、位置や張り具合の微調整の難易度が下がるからです。さらに、乾いた後に紙がピンと張るため仕上がりがよくなります。逆に、避けた方がいい時期は乾燥している夏や冬です。この時期は、紙が破れやすくなっているので、障子枠にきれいに貼ろうと障子紙を無理に引っ張り、破いてしまうこともあります。それゆえ、張替えに慣れていない人には難易度が非常に高くなります。もし、梅雨の時期が厳しいのであれば、部屋の湿度が高くなりやすい雨の日に張替えを行いましょう。
・張替えは5年周期
一般的に、障子紙の張替えは5年ごとに行われることが多いです。ただ、日当たりがよく使用頻度が多い場合は、汚れがついたり劣化しているので、張替え時期は早まります。黄色や茶色の染みが目立ち始めていたり、色褪せやたるみ、カビが生えている場合は、前回の張替えから5年以内でも紙を交換しなければなりません。特に、パルプ障子紙など紫外線に弱い紙の場合は劣化の進行度が早いので、何の障子紙を使用しているのか把握し、紙の状態で張替えのタイミングを図りましょう。
・来客の予定がある
来客の予定がある際に、障子紙の張替えを行うことも多いです。障子紙の状態は、部屋の雰囲気に非常に影響を及ぼすため、破れていたり少しでも劣化が進んでいると、来客に与える印象が悪くなるためです。梅雨の時期や5年周期では、明確な張替えのタイミングはわかりませんが、大切な人を家に招く日は多くの場合決まっているので、張替えのタイミングを来客に合わせることが一番わかりやすいかもしれません。いつ、障子紙を張替えるタイミングがかわからない人や、障子紙が破れていたり汚れていても特に気にならないという人は、来客時に合わせて張替えを行うといいでしょう。
 
3.これで長持ち!張替えた障子をきれいに保つためのポイント
ここでは、張替えた障子を少しでも長持ちさせるための方法を紹介します。長持ちさせるには、常に障子の状態を確認することがポイントです。
・定期的にホコリを取り除く
障子の桟部分は狭いですが、ホコリが溜まりやすいです。ホコリは障子の汚れの原因にもなるので、ハンディワイパーやハタキなどを使って、ホコリが溜まるまで待つのではなく定期的にホコリを落とすようにしましょう。力を入れすぎてしまうと、障子を破いてしまう可能性が高いので注意が必要です。また、隅の方に溜まったホコリは掃除道具を使っても取り除けない場合があります。そのときは、綿棒や先端が細い棒をティッシュで包んでこすると、細かいホコリを取り除きやすいです。
・破れたら部分的に張替える
ちょっとした不注意で、障子を破いてしまったときや経年劣化で破れてしまった場合は、すぐに全ての障子を張替えずに部分的に応急処置をして、やり過ごすのも一つです。まず、代わりとなる紙を用意してください。破れた場所を、あえてカッターナイフで用意した紙のサイズより、やや小さめに切り取ります。そして、出てきた桟に糊を付けて新しい紙を、通常の障子紙の代わりに貼り付けるだけで修繕完了です。ただの紙を用意すると、紙質の違いで違和感を抱いてしまうこともありますが、布や模様の付いた紙を張ることで、ちょっとしたアクセントになりおしゃれを演出することができます。
・引き手回りは常に清潔に
障子を開け閉めする引き手回りは、手垢や汚れが付着しやすいです。特に、指先の皮脂はしつこい汚れになりやすいので、定期的にぞうきんなどで拭いて清潔な状態にしておきましょう。何度も同じところに触れるため、汚れを放置したままにするのは障子の劣化を早めることになります。
・汚れや黄ばみを取り除く
障子紙の中には、黄ばんでしまう性質のものがあります。草木を原料にしている和紙には、リグニンという成分が含まれており、この成分が酸素や日に長時間触れることで黄ばんでしまうのです。それゆえ、もし使っている障子紙にリグニンが多く含まれているのであれば、黄ばみ対策が必要です。障子が黄ばんだ際に、きれいな状態に戻す方法を紹介します。
用意するもの…コップ一杯の水、キッチン用漂白剤、選択糊、霧吹き
キッチン用漂白剤を小さじ2杯、洗濯糊を小さじ1杯分水に混ぜます。その液体を、霧吹きで黄ばんだ部分に吹きかけるだけで終了です。ただこのとき注意しなければならないことは、変色や劣化の原因になるので、障子の桟の部分に作った液体がかからないようにすることです。また同じ部分に何度も吹きかけてしまうと破れてしまうこともあるため、処置は1箇所につき1回にしておきましょう。
・長時間開けっ放しにしない
障子は、なるべく小まめに閉じることがきれいな状態を保つためには重要です。通常、2枚の障子が重なった状態になっています。障子を開けた状態にすると、このとき2枚の障子の間には、湿気が溜まりやすい状態になっています。その結果、カビが発生しやすい環境になるのです。必要なとき以外は、必ず障子が重ならないように閉めた状態にしましょう。