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2020.04.11 コラム

外壁材は何がいい?種類とそれぞれの特徴【ALC編】

外壁材は経年劣化の影響が大きく、耐候性やメンテナンス性が求められるほか、「防水性・防火性・断熱性・遮音性」など、様々な機能が要求されます。そのため、外壁のリフォームを検討する上で、「外壁材の種類・特徴」を知り、自分の求める外壁材を選ぶことが成功のカギを握ります。外壁材の種類は主に、「モルタル」「サイディング」「タイル」「ALC」の4つに分類され、各外壁材によって性能や耐久性、コストといった特徴が違ってくるため、何を基準に、どんな目的で外壁材を選ぶのか、よく考えることが大切です。デザイン、耐久性、メンテナンス性など、全てのニーズを押さえた外壁材はありません。それを踏まえた上で、住宅に使用される主要な外壁材の種類と特徴を見ていきましょう。今回は「ALC」についてです。

 
1.ALCとは何か?
ALCは(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)の頭文字をとった名称になり、高温高圧蒸気養生した軽量気泡コンクリートのことです。ALCの主成分は珪石、セメント、生石灰などが主原料になり、ALC内部に気泡を含んでいるのが特徴です。外壁だけでなく屋根や床、間仕切りなどに使用される建材で、住宅以外にも高層ビルや中低層ビル、ショッピングセンターや倉庫など、さまざまな建物の構造材料として使われています。
 
2.ALC外壁のメリット
・耐久性が高い
ALC外壁は耐久性が高く、地震にも強いメリットがあります。ALC外壁を適切な条件で使用し、定期的なメンテナンスを行った場合、ALCパネル自体の耐用年数は50年を超えるといわれています。建て替えを行うよりも、メンテナンスをしながら長く住みたいという方にはぴったりの外壁材です。
・断熱性・耐火性に優れている
ALC外壁は内部の気泡が空気の層を作るため、熱伝導率が低く断熱性が高い素材です。通常のコンクリートの約10倍も断熱性があるといわれていることから、断熱材と併用すると夏場は涼しく冬場は暖かい住宅環境を維持しやすくなります。燃えにくい耐火構造を有しているため、耐火性・防火性も優れています。また、無機質な原料で作られていることから、万が一火災が起きた場合にも有害物質を発生させません。
・軽量で遮音性が高い
ALC外壁は通常のコンクリートに比べて重量が1/4程度しかないのが特徴のひとつです。軽量でありながら強度があり、遮音性が高いメリットがあります。内部の気泡が音を吸収するため、騒音のある環境でも住宅内に音が伝わりにくく、プライバシーの保護にも役立ちます。
 
3.ALC外壁のデメリット
・つなぎ目が多い
ALCパネルはモルタルなどの塗り壁とは異なり、建物に取り付けていく外壁材のため、パネル同士のつなぎ目が多いのが特徴です。ALCパネルのように取り付ける外壁材にはサイディングボードがありますが、ALCパネルの方がサイズが小さく設計されているので、その分つなぎ目が多く雨漏りのリスクが高いデメリットがあります。ALC外壁の劣化を防ぐには、シーリング材でつなぎ目をしっかりと埋めることが大切です。
・防水性が低い
ALCパネルは吸水性の高い素材のため、耐候性が低いデメリットがあります。内部の気泡部分に水が侵入してしまうと、膨張やひび割れの原因となって修復が難しくなるケースもあるので注意しましょう。ALCパネルは耐久性の高い素材ですが、ALCパネル自体やシーリングの劣化を防ぐためには塗装をして防水性を高める必要があります。
・他の外壁材より費用がかかる
外壁材としての機能が高く耐久性もあるALCパネルは、他の外壁材と比べると価格が高い傾向があります。
【外壁材の価格目安】
窯業系サイディング:3,000円〜
金属系サイディング:4,000円〜
モルタル:4,500円〜
ALCパネル:7,500円〜
耐用年数が長いためコストパフォーマンスが良いメリットもありますが、定期的なメンテナンス費用がかかることからトータルコストを考慮しておきましょう。※時期や地域などにもより価格は変動する可能性があり、価格相場は目安です。
 
4.ALC外壁・塗装時の注意点
・外壁表面は防水塗料で保護する
ALC外壁の防水性の低さは仕上げ材の防水機能で補います。仕上げ材に使用する塗料は防水性・弾性の高いものを選ぶのがポイントです。一般的には水性のシリコン系やフッ素系、ウレタン系、アクリル系塗料が使用されます。塗料は種類によって価格が異なり、フッ素塗料やシリコン塗料は価格が高くなりますが、その分寿命が長いため塗り替え頻度が少なく済むメリットがあります。塗料の性能によってALCパネルの耐久性も変わってくるので、業者と相談して適した塗料を選びましょう。
・塗装時はシーリング材の点検も行う
ALCパネルの目地はシーリング材を注入して埋めていきます。雨水の浸入を防ぐには、たっぷりとシーリング材を注入することが大切ですが、適正なシーリングの厚みが守られていないと劣化を早める可能性があります。シーリング材は経年劣化によってひび割れや肉痩せが起こるため、外壁の塗装をする際などに併せて点検を行うことをおすすめします。補修が必要となった場合の方法としては「増し打ち」と「打ち替え」の2種類があります。
増し打ち:既存のシーリングの上に新しいシーリング材を充填する方法
打ち替え:既存のシーリング材を撤去し、新しいシーリング材を打ち直す方法
外壁の塗り替えをする際はシーリング材の状態もチェックして、早期劣化を防ぎましょう。
・定期的な点検・メンテナンスがポイント
ALCパネルの劣化を防ぐには、定期的な点検を行い、適切なメンテナンスを行うのが重要です。ALCパネルのメンテナンスは症状が出る前に行うのが大切なので、5〜10年程度を目安に点検をし、塗り替えを行うのがおすすめです。また、ALCパネル自体が破損している場合は専用の補修材などで修復する必要があります。塗装の色あせや塗膜剥離、シーリングの劣化、ALCパネルのひび割れや欠損などがあった場合は、年数に関わらず早めに対処しましょう。