床材選びの参考に!無垢材フローリング【桐(キリ)編】
緩やかで美しく天然木ならではの風合いをもつ「桐(キリ)」。桐(キリ)と言えば高級タンスの代名詞。昔から高級な桐タンスに使われているように、桐(キリ)は調湿効果や断熱性にとても優れており、足触りと暖かさは日本一であると言われています。最近ではフローリングに使用されることも多くなりました。”さらっとした足触りと、感触の暖かさの理由は軽さにもある”無垢フローリング材「桐(キリ)」についてご紹介します。
1.桐(キリ)とは
桐は北海道南部以南で植栽される広葉樹で福島県の会津桐や岩手県の南部桐が有名です。日本で使用されてきた木材の中では最も軽く、割れや狂いが少ないことや湿気を通さないことから高級木材として使用されてきました。今でも桐ダンスは防虫効果、湿気の吸排出効果から着物などを入れる高級タンスとして重宝されています。
2.桐(キリ)の特徴
桐材が古くから日本人の生活に用いられてきたのは、他の木材にはない特徴を持っているからかもしれません。 そんな桐材の特徴をご紹介します。
・調湿作用がある
湿度を調整してくれる調湿作用があるので、湿度が高い梅雨時期から、乾燥しがちな冬場まで、一年中快適に過ごすことができます。調湿効果も高いのでウォークインクローゼットなどの収納との相性も抜群です。
・防虫効果がある
桐はカビやダニの発生を防ぐ効果があります。アレルギーの原因にもなると言われるカビやダニを防ぐので、お子様にも安心の素材です。
・断熱効果がある
多孔性の桐材は断熱効果が高く、無垢フローリングとして使えば、冷暖房効率をアップすることができます。省エネにも一役買ってくれそうですね。
・火に強い
他の木材に比べて、桐は火に強いと言われています。桐材は水分を多く含むため、難燃性があるということです。
・柔らかくて安心
すごく柔らかいので傷はつきやすいですが、クッション性が高く足腰に負担が掛かりませんので、ご高齢の方やお子様には安心、高齢者施設や幼稚園でも採用されています。また夏は冷たく、冬は暖かいのでご高齢の方の部屋に使うのに最適な無垢フローリングです。
・軽い
桐材の比重は、国産樹種のなかでもっとも小さい。ですから桐の箪笥は輸送手段の発達伸していない時代には持ち運びに大変都合のよいものであったわけです。この材の軽さはマンションなど階上でフローリング工事する際の搬入にも大変有利です。
・腐食に強い
軽くて軟らかい桐材は、腐りやすいと考えられがちですが、実は極めて腐りにくい木材です。それは桐材に多量のタンニン(防腐力が大きい)が含まれるからです。
・音響性に優れる
桐材は多孔質で粘性に富むため、大変音響性に優れています。古代より琴等の楽器に用いられています。
3.桐(キリ)の注意点
桐材にはいくつか注意点もあります。桐材にはタンニンという成分が多く含まれています。タンニンは虫や腐食から守ってくれる一方、桐の色は経年するとタンニンによって黒ずんでしまいます。 桐のたんすを削って新品同様にするサービスがありますが、桐の無垢フローリングも研磨することが可能です。また、桐は柔らかい木材です。足腰にかかる負担が少なくて済むので、ご高齢の方やお子様には安心ですが、キズが付きやすいという難点があります。桐にはこれらの短所があるとは言え、それを補って余りあるほどの良さを持っている素材です。 ぜひ一度、桐のあたたかみを実感してみてくださいね。