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2020.08.08 コラム

狭小住宅リフォームのポイント【part1】

土地の限られた都市部では特に、広い家に住んでいることに対して憧れ・ステータスを感じる方も少なくないかもしれません。一方、お金をどれだけかけて広い住処を手に入れたところで満足度がそれほど変わらない境界線があるとしたら、快適性が損なわれない程度の広さで妥協する代わりに、素材や設備に予算を振り分けることで広い住宅に住む以上の満足度・快適性を得られる可能性もあります。そこで今回は、狭小住宅におけるリフォームのポイントをご紹介します。

 
1.狭くても快適に過ごせる最低ラインは?
厚生労働省のホームページには、住宅における居住面積の水準を示す資料が掲載されています。以下ではその内容を元に、世帯人数ごとに必要な最低水準の居住面積をご案内しています。
・健康で文化的な住生活を送るのに必要な「最低限の居住面積」の目安
1人世帯:25㎡/13.7畳/約7坪
2人世帯:30㎡/16.4畳/約8.2坪
2.5人世帯:35㎡/19.2畳/約9.6坪
3人世帯:40㎡/21.9畳/約11坪
3.5人世帯:45㎡/24.7畳/約12.4坪
4人世帯:50㎡/27.4畳/約13.7坪
4.5人世帯:52㎡/28.6畳/約14.3坪
5人世帯:57㎡/31.2畳/約15.6坪
また、同じ資料には「誘導居住面積水準」つまり、より豊かな生活を実現するために欲しくなってくる居住面積の目安をご案内します。
・より余裕を感じる住まいで欲しい「誘導居住面積水準」
1人世帯:40㎡/21.9畳/約11坪
2人世帯:55㎡/30.2畳/約15坪
3人世帯:75㎡/41.1畳/約20.6坪
4人世帯:95㎡/52.1畳/約26坪
5人世帯:109㎡/59.9畳/約30坪
6人世帯:128㎡/70.3畳/約35.2坪
7人世帯:147㎡/80.7畳/約40.4坪
*計算式はそれぞれ世帯人数2人以上において 10㎡×世帯人数+10㎡(最低限の居住面積)、20㎡×世帯人数+15㎡(誘導居住面積水準)
*子供は3歳未満0.25人、3-6歳0.5人、6-10歳0.75人で計算
*「誘導居住面積水準」は都市部のマンションなどに適用する目安となります。同省では郊外戸建て住宅などを対象としたさらに広い「誘導居住面積水準」を示す資料も用意していますが、狭小住宅とは言えない広さが必要となってくるのでここでは割愛します。
マンションなどを購入を検討されている場合などは上述の目安に従って、自身のニーズに合わせるにはどれくらいの面積で足りるのかを知ることができます。例えば、「あまり物を持たない主義で、子供は欲しいが1人が限界だろう」というご夫婦なら、40㎡程度の物件で十分快適な生活ができるかもしれません。一方「子供は持たないことに決めていて、親との同居の予定もない、ファッション好きカップル」のようなシチュエーションなら55㎡程度あれば夢のウォークインクローゼットまで叶えられる可能性が高いです。一方狭小住宅というと、定義が特にあるわけではありませんが15坪程度の土地に立つ住宅とされることが多いです。戸建ての場合敷地が10坪あっても、建ぺい率や階段部分の面積が必要になってくるので、 であれば敷地面積自体が狭くても2階建て、3階建てにすることで利用できるスペースも約2~3倍まで増えるわけですから、たとえ5坪のような超狭小住宅であっても延べ床面積50㎡超も可能で、2~3人家族程度であれば十分快適な住宅を実現できると言えます。
 
2.どの部屋にどれだけ必要かを知る
それぞれの間取りにおけるリフォーム例を見ていく前にまず、必須と言えるお家の機能にどれだけの面積が必要かを確認していきます。
寝室・学習等:必要面積5㎡/人
入浴:必要面積2.3㎡
トイレ:必要面積1.8㎡
洗濯:必要面積0.9㎡
キッチン:必要面積1-2人なら2.7㎡、3人なら3.2㎡
リビングダイニング:必要面積1-2人なら2.5㎡、3人なら3.1㎡
収納:必要面積1人なら2.0㎡、2人なら2.8㎡、3人なら3.6㎡
これらは上述の「最低限の居住面積」において、それぞれの機能における必要面積の内訳を示したものです。この数値の合計に動線空間等を加味した数値が「最低限の居住面積」に反映されています。近年は寝室など特定の用途にしか使わない空間をできるだけ小さくする代わりにリビングなどの集いの場を広く取るような例が増えている傾向にあります。一緒に過ごす時間が充実するほど幸福感につながるという考え方は、多くの方が共感できるところかと思います。リビングをより大きく取るためには寝室以外にも、洗濯、入浴、トイレなどのユーティリティに割くスペースを極力絞る必要があります。思い切って浴槽無しのシャワールームにしたり、キッチンに洗濯機まで並べて置いてランドリースペースを無くしたり、トイレとバス・洗面を一緒のスペースに置いたりといったプランはご自身の許容範囲内で採用するといいかもしれません。以下では、「最低限の居住面積」においてリビング空間がより多く取れるよう各スペースを再構成した例ですが、10畳、12畳のリビングと言われると、決して狭いという印象は受けないのではないでしょうか。
・カップル2人世帯30㎡/約9坪/10.3畳:寝室や学習等5.0㎡、入浴1.0㎡、トイレ1.8㎡、洗濯0.6㎡、LDK18.8㎡(10.3畳)、収納2.8㎡、動線など余裕分7.0㎡
・夫婦+子供1人40㎡/約12坪/12.6畳:寝室や学習等10.0㎡、入浴1.0㎡、トイレ1.8㎡、洗濯0.6㎡、LDK23㎡(12.6畳)、収納3.6㎡、動線など余裕分8.5㎡
・2世帯4人暮らし50㎡/約15坪/14.6畳:寝室や学習等15.0㎡、入浴1.5㎡、トイレ1.8㎡、洗濯0.6㎡、LDK26.7㎡(14.6畳)、収納4.4㎡、動線など余裕分9.0㎡