ユーティリティって必要?リフォーム時の注意点
近年、ご自宅にユーティリティ(家事室)を取り入れる方が増えています。そこで今回は、ユーティリティは本当に必要なのか、リフォームでユーティリティを設けることはできるのかを解説していきます。
1.ユーティリティは本当に必要?
ユーティリティとは家事室のことです。例えば、洗面所や脱衣所を広くして、そこに洗濯物を干すスペースやカウンターを設けて、洗濯物を洗う・干す・乾かす・畳む・アイロンをかけるの全ての作業をこのユーティリティで完結させます。ユーティリティはむやみに作るよりも、実際の生活をイメージして自分に合うように作らなければ無駄になってしまうので、必ずこのようなユーティリティばかりではありませんが、このようなタイプが一番多いように見受けられます。
ユーティリティのメリットは、やはり家事動線の短さにあると思います。普通であれば、洗濯物を洗い終わったら、その重たい洗濯物を持って移動して干し、乾いた洗濯物を持ってまた移動…というふうに動き回ることになるかと思います。ですが、ユーティリティがあれば、その場で洗濯物を干すことができ、その場で畳み、その場でアイロンをかけることができるので、無駄な移動がありません。キッチンの近くやクローゼットの近くにユーティリティを設けることができれば、さらに動線が短くなり家事がしやすくなると思います。また、ユーティリティという個室になっているので誰にも邪魔されず、集中して家事に取り組めるのも嬉しいですよね。ただ、洗濯物を畳みながらテレビを見るとか子守をするといったことは難しくなりますので、その点には注意が必要です。
以上のことを踏まえて、できるだけ家事をしやすくしたい、時短したい、家事を一気に片付けてしまいたいという方にはユーティリティは必要だと思います。反対に、家事をしながら他のこともしたいという方には、ユーティリティはなくてもいいかもしれません。また、洗濯物は外に干したいという方も、ユーティリティの必要性は下がると思います。
2.リフォームでユーティリティを設けたい場合の注意点
お家の広さを変えないでユーティリティを設けたいという場合は、その分、どこかの空間を諦めなければなりません。ですので、必然的にお家の間取りに余裕のある場合でないとユーティリティを設けるのは難しいです。もちろん、階段下のスペースを使うとか、その他のデッドスペースを使用すれば無理ということもありませんが、ユーティリティというのはやはりどこに設置するのか、そこに設置することにより動線がよくなるのかということが重要になってきますので、無理やりに作っても意味がありません。もちろん、そのデッドスペースに作ることで動線が良くなるのであれば全く問題ありません。デッドスペースがある場合以外にも、使ってないお部屋があるというご家庭や、どこかのお部屋が今より狭くなっても大丈夫というご家庭であれば、工夫次第でユーティリティを設けることは可能だと思います。
今のお家は収納もいっぱいだし、どの部屋も使っていて削れる余裕がないというご家庭は増設することも可能です。ですが、その場合は、建ぺい率や容積率を気にする必要があります。建ぺい率とは敷地面積に対して建築面積(建物を真上から見たときの面積)が何割占めているかというもので、容積率とは敷地面積に対して延床面積(全ての階の床面積の合計)が何割占めているかというものです。建ぺい率は土地にもよりますが、だいたい5~6割、容積率は土地によって様々で、道路に面しているかいないかでも変わってきます。ですので、増設を検討されている場合は、まず最初に土地の建ぺい率と容積率を確認し、その範囲内に収まるかどうかを確認しましょう。