リフォーム詐欺の手口とは?騙されないための知識
「安い金額でリフォームしてもらえた」、「無料で点検してもらえた」。これらが実は、リフォーム詐欺の始まりかもしれません。注意すべきことがわかっていれば、詐欺にあう確率はグッと減ります。実際のリフォーム詐欺の手口、悪徳業者の見分け方、対処法から、騙されてしまったときの相談先など、詳しくご紹介します。
1.リフォーム詐欺の3つの手口
・大げさなことを言う、他の家の例を見せて不安を煽る
過度にお客の不安を煽る、大げさな表現は悪徳業者の常套句です。これらは工事の即決を迫ることが目的。適切な工事をおこなうリフォーム会社は不安を煽る言葉は使いません。お客の意向を伺ったあとで、必要と思われるリフォームプランを提案しています。
・意味のない耐震工事をおこなう
悪徳業者は住宅が耐震基準を満たしていないと言いがかりをつけ、ほとんど意味のない耐震工事をおこない、あとから高額な工事費用を請求します。耐震診断や見積もりはすぐにできるものではないので、その場で契約を迫るような業者は悪徳業者である可能性が高いです。
・補助金、保険金がおりるなどとウソをつく
「補助金や火災保険金がおりるので、タダでリフォームできる」と言われて、リフォームをしたら、実際には補助金や火災保険金がおりず、全額自腹で支払わなければいけなかったケースがあります。条件を満たす耐震工事の費用は、自治体から一部助成を受けることができますが、自治体から派遣される耐震コンサルタントによる調査・診断が必須です。なお、工事 着工前に自治体へ申請した場合にのみ、助成の対象となります。申請の際には、診断後に発行される調査報告書が必要です。そのほかの助成金や補助金の対象になる工事の場合も、先に関係機関に申請をおこなわなければなりません。安易に補助金でお金が戻るから、と工事を進めようとする業者は悪質と判断してよいでしょう。
2.こんな業者に気をつけて!リフォーム詐欺業者の見分け方
・アポなしの訪問をおこなう、無料の診断・点検を始める
悪徳業者のほとんどがアポなしの訪問です。こちらから望むわけでもなく、診断や点検を勝手におこない、「倒壊の可能性がある」などと言い始めて危機感を煽り、契約を即決させようと迫ります。定番の詐欺手口ですので、訪問業者は断ることをおすすめします。
・訪問当日に見積りを出して契約を迫る、大幅な値下げをおこなう
ほとんどの優良企業は見積りから契約まで、お客に検討のための十分な時間を設けます。訪問当日に契約を迫る場合には注意しましょう。また、大幅な値下げは、適切な材料の使用や、充分な人員配置がおこなわれず、工事の質が低下する可能性が高いです。見積もり後に価格を理由に断ると、値下げをしてくる業者にも注意が必要です。
・相談から工事までの期間が早すぎる
工事に入るまでには、事前準備に時間がかかるのが一般的です。しかし、悪徳業者ではすぐに工事に入ろうとします。お客に有無を言わさない、クーリングオフ制度を使わせないための手口といえます。
3.リフォーム詐欺にあわないために!詐欺の対処方法
・見積りは複数の業者から出してもらう
複数の業者から見積りを出してもらうことで相場を知ることができます。ここで、あまりにも相場より安い業者には要注意です。ずさんな工事や不適切な材料を使う可能性があります。
・業者の住所を確認する
悪徳業者はそもそも会社がなかったり、実体がわからないように架空の住所を使用していたりする例もみられます。業者から名刺をもらったら、実在する会社であるか、インターネットなどで住所を調べることも重要です。
4.もし騙されてしまったら?詐欺の相談は公的な相談機関へ
・住宅リフォーム・紛争処理支援センター
住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、住宅品質確保法などの法律に基づいて国土交通大臣から指定を受けた、公的な住まいの相談窓口です。リフォームに関して、全国各地からの電話相談や、郵送による契約前の見積りチェックを受け付けています。また、原則無料で、弁護士や建築士との面談も全国各地の弁護士会で実施しています。
・国民生活センター
購入した商品、サービスなど、消費生活全般に関する相談を受け付けている機関です。トラブルの際のADR(裁判外紛争解決手続き)や、消費者団体訴訟制度(団体訴権)の紹介などをおこなっています。
5.リフォームのクーリングオフ制度
一定の期間内において、説明不要で申し込みの撤回、契約の解除をおこなえるクーリングオフ制度。実はリフォームでもこの制度が利用できる場合があります。クーリングオフ制度を利用したいとお考えの場合は、まずは消費生活センターなどへの相談をおすすめします。クーリングオフは、原則8日以内に、書面で契約解除を業者に通知しなければなりませんが、この書面の書き方や送付手順などをアドバイスしてもらうことができます。