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2020.06.15 コラム

軒天リフォーム~軒天の雨漏り原因と張替え~

軒天は軒天ボード、軒天井(のきてんじょう)や軒裏(のきうら)、軒先(のきさき)などと呼ばれています。軒点は色あせや汚れが目立ちやすい場所です。表面がけばたつことで大きく建物の外観が損なわれたり、台風の影響で剥がれるなどの不具合も生じます。また、軒天のリフォーム工事は屋根本体の工事と合わせて行うととても効率的です。

 
1.軒天とは
軒天とは軒先の裏側にある天井を示します。軒天ボードと呼ばれる板を張りつけたり、外壁左官材(塗り壁材)を塗って外壁と一体化させたりします。古い建築物では、軒裏を露出したままの建築物が多いです。しかし、雨ざらしは建物にとって良くありません。軒裏を軒天ボードなどで仕上げることは、住まいを長期的に守るための重要な役割を果たします。
 
2.軒天ボードの種類
・カラーベニヤ(ベニヤ板)
カラーベニヤは築30年を超える住宅の軒天で多く使用されています。新築工事では使用することが少なくなっています。ただし、施工面や費用面で大変優れており、リフォーム工事ではよくカラーベニヤを使用します。
・ケイカル板(けい酸カルシウム板)
ケイカル板は最も主流である軒天材です。カラーべニアに比べるとケイカル板の価格は若干高めです。ケイカル板は耐久性や耐火性、耐水性に優れています。防火性能の基準をクリアした製品が多いため、法律による制限を気にすることなく使用できます。その上、デザインや色も豊富で、和風住宅に適した木目調の軒天ボードもあります。また、通気性を確保した有孔ボードもあります。
・金属(スパンドレル)
金属製の軒天にスパンドレルと呼ばれる仕上げ材があります。スパンドレルは軒天だけでなく、外壁にも使用されています。ビルやマンションなどの比較的大きな建築物の軒天仕上げ材として用いられています。主な原料はガルバリウム鋼板です。
 
3.軒天の雨染みと雨漏り
・軒天は雨漏りを発見しやすい
水は低い方向に集中するため、雨は軒先部分に比較的多く漏れます。軒先部分の雨漏りは、軒天に雨染みとして残ります。雨漏りは発見するタイミングにより、将来の修繕方法や費用が大きく変わります。もちろん、雨漏りを早期に発見し、対処することは、被害の拡大や、将来の修繕費用を抑えることにつながります。是非、定期的に軒先を見上げて、軒天に雨染みがないかチェックしてください。尚、雨染みは雨漏りではなく、結露による染みの可能性もあります。
・軒天と外壁の取り合い部は雨漏りの原因になりやすい
軒天と外壁の取り合い部は構造上、雨仕舞の弱点になります。この取り合い部から雨が漏れることがしばしばあります。主な原因は、暴風雨時の下から吹きあがる雨水の侵入です。軒天と外壁の取り合い部の雨漏りの多くは、浸水する箇所と排水する箇所が異なります。例えば、サッシまわりの防水処理を十分に施したにも関わらず、サッシから雨漏りが改善しない場合、私たちは軒天の取り合い部からの雨水の侵入を疑います。実際に、軒天と外壁の取り合い部に防水処理を施すことで、ピタリとサッシまわりの雨漏りが改善します。防水処理はコーキングによる処理が多いです。しかし、コーキング処理の場合、施工後数年でコーキングが剥がれて再び、雨漏りを発生させてしまうので注意が必要です。
・軒樋のオーバーフローによる軒天の腐朽
台風などの豪雨時、雨水が軒樋(のきどい)の排水能力を上回り、樋から溢れ出ることがあります。樋(とい)や集水器にゴミなどが詰まっている場合も同様です。溢れだした雨水は軒天を腐朽させたり、雨漏りを引き起こします。雨天時には、樋がしっかり機能しているのか定期的にチェックする必要があります。
 
4.軒天のリフォーム方法
・軒天の重ね張り(カバー工法)
既存の軒天が下地として機能できる場合、補強を行った上、新しい軒天ボードを重ね張ります。重ね張りは工期が短く、工事費用もお手頃です。
・軒天の張り替え
既存の軒天が著しく劣化している場合は、既存の軒天を撤去し張り替えます。この場合、撤去の手間と廃材の処分費用が発生します。また、軒天にアスベストが含有している場合、撤去や処分の費用が多額になります。なお、軒天の場合、結露や雨漏りが集中する一部分だけが著しく劣化していることがあります。
・軒天の塗装
軒天ボードが比較的良好な場合、塗装によるメンテナンスを行います。軒天が乾燥した状態で清浄し、下塗りと上塗りの2回塗りをします。軒天の色で暗い色や主張する色を用いると、建物全体が圧迫感のある印象になります。しかし、純白では汚れが目立ちますので、グレーがかった白やクリーム色を選択するとよいかもしれません。