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2020.06.04 コラム

外壁つなぎ目・サッシ廻りのシーリングの打ち替え時期とは

長く安心して暮らすためには住宅のメンテナンスは欠かせません。外壁のつなぎ目、サッシ廻りのシーリングはどのような時に補修すれば良いのでしょうか?シーリングの劣化症状と補修のタイミングをご紹介します。

 
外壁で多く使われているのは、「窯業系サイディング」です。そして、そのサイディングボードの隙間はシーリング(コーキングともよばれます)というゴム状のもので埋まっており、誰でも見たことがあると思います。シーリングの打ち替え時期は10年が目安になります。「ほっといても大丈夫でしょう?」「ご近所の家のシーリングもボロボロだから問題ないでしょう?」と思われがちですが、シーリングを劣化したまま放っておくと、雨水が侵入し、建物自体の劣化を促進してしまいますから、シーリングの打ち替えは必ず行います。シーリングの打ち替えは、きわめて難しく、塗装とはまた違った技術が必要です。
 
1.シーリングの目的
外壁材は、常に自然環境にさらされているため、太陽光や雨の影響を受け伸び縮みしたり、地震や風によって外壁材がずれることがあります。そこで外壁材の間の目地と呼ばれる部分にシーリング材を打ち込み、建物の動きやずれに追従させることが重要です。建物の動きに追従し、ずれなどを起こさせないためにも、シーリングは非常に重要なのです。しかし、シーリングも外壁材と同様に紫外線を受けたり雨風に曝されたり、地震で建物が揺れるなどの自然からの影響を受けることで劣化してしまいます。
 
2.シーリングの役割
サイディングボードやALC外壁の隙間を埋めるものとして使われます。パネルとパネルの間には、隙間ができますから、そこにシーリング材をつめて、外壁から水や汚れが侵入しないようするのです。そして地震などの揺れで外壁にヒビが入らないように、衝撃を吸収してくれる役割がシーリングにはあります。シーリングはその他にも、壁の補修材としても広い用途で使われています。
 
3.シーリングの劣化の時期
シーリングは3年から5年もすれば劣化してきます。シーリングを交換することを「シーリングの打ち替え」といいます。シーリングは紫外線にあたると劣化が早まりますから、場所によって異なりますが、10年を打ち替えの目安にします。また補修方法としては、「打ち増し(増し打ちとも呼ばれます)」という方法もあり、古いシーリング材の上から塗りつける方法ですが「増し打ち」は古いシーリングをはがさない、そのまま新しいコーキング材を塗り付ける工法ですが、コストは安いのですが、あまり長くは持ちませんから、劣化した場合は、打ち替えが基本です。
 
4.シーリングの劣化の症状
・しわ・ひび割れ
紫外線により、シーリングが伸びたり縮んだりする状態です。
・破断 
ひび割れが大きくなることで破断が発生します。補修の緊急性が高い劣化症状です。
・痩せ
シーリングの分量が少なくなることでおこる現象で、経年とともにシーリングがやせ細ってくる劣化症状です。
・ベタベタ・柔らかくなる
壁の塗装に可塑剤(かそざい)という柔らかさを増す材料が使われている場合、シーリングがこのような状況になることがあります。
 
5.シーリングの劣化を放置するとどうなるの?
シーリングの劣化を放置すると、まず、ひび割れや剥離した部分から、サイディングパネルの内側に雨水が浸入します。内側に雨水が浸入することで、建物の、断熱材にカビが発生したり、建物を構成している骨組みとなる木材が腐食してしまいます。建物内部が腐食してしまうと、サイディング本体を張り替えるなど、大規模な改修が必要になり、シーリング補修費の数倍の費用が掛かってしまいます。費用を安くするためにも、定期的なシーリング補修が必要となります。
 
6.シーリング材の種類
・アクリル系
新築のALCパネルに使われますが、耐久性がないため塗り替え時に使われることはありません。非常に安い。
・ウレタン系
耐久性が強いが、紫外線に弱く、ほこりもつきやすい。ウレタン系のシーリング材の上から塗装して、塗膜で覆うときにウレタン系が使われす。
・シリコン系
耐候性、耐熱性が強いが塗料を上から塗ることができない。また目地周辺が汚れる。
・変成シリコン系 
耐候性、耐熱性がシリコン系に劣りますが、目地周辺の汚れに強く、塗料を上から塗ることができます。
・油性コーキング
皮膜を形成しますが、中は固くならずやわらかい。外壁の亀裂箇所に使われます。
・ポリサルファイド系
接着性が高い、シリコン材。金属類への使用が適さず、石地目に使われます。
 
7.シーリング材の2つの施工方法
・1成分型
「1成分型」と呼ばれ、そのまま充填できるタイプのシーリング材です。ホームセンターなどでよく見かける、先端が尖った筒状のタイプを一般的に「1成分型シーリング材」と言います。缶のタイプもありますが、基本的には専用容器(カートリッジ)に入っておりコーキングガンを使用するものが多いです。混ぜ合わせる必要がないので手間がかかりません。 1本ずつ「カートリッジ」という筒に入っていますので、すぐに使用できるのがメリットです。すぐに使用できるというメリットはありますが、2成分型と比べると価格が比較的高いです。小面積の補修に対して使用することが多いものになります。
・2成分型
シーリングと、それを固める硬化剤とで別々になっているシーリング材です。「2液型」とも呼ばれます。施工や管理に専門技術が必要で手間が掛かるなため、プロ仕様のシーリング材です。硬化剤と混ぜて使用し、1成分型のようにカートリッジを使用しないので、1成分型よりも価格は安い場合が多いです。大きな面積で使用することが多いものになります。
 
8.シーリングの打ち替えの注意
シーリングはあまり目立たない部分ですが、10年を目安に打ち替えを検討します。できれば外壁塗装と同じタイミングで打ちかえるのがベストです。そして、シーリングで一番気をつける点は「シーリングの打ち替えは極めて難しい作業」という点です。ですからシーリング専門の職人に依頼し、品質の良い補修を行いましょう。