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コラム
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2019.11.01 コラム

土間のある暮らし

土間とは屋内において床を張らずに地面のままになった部分のことで、昔は炊事や農作業をするための場でした。現在の住宅における土間は、玄関の一部として靴を脱ぐだけのスペースであることがほとんどです。昔は、畑で収穫したての野菜を台所にそのまま持ち込んだり、薪を使ったかまどで煮炊きすることから土間の必要性が高かったのですが、ガスや水道の普及によって現在ではその姿も見ることがほとんどありません。ですが、近年になって、ライフスタイルに合った活用法が見直され、玄関に限らず家のさまざまな空間に取り入れるリフォーム例が増えてきました。今回はそんな土間についてご紹介します。

1.土間の活用法
・自転車やバイク、ベビーカーなど小型の乗り物の収納場所に
自転車やベビーカー、サッカーボールや野球道具などのスポーツ用品の収納場所に困っている方も多いと思います。庭に自転車の置けるスペースやガレージがあれば問題ありませんが、敷地が狭いとなかなかそうもいきませんよね。土間があれば、これらのものを心置きなく屋内にしまうことができます。これなら盗難や風雨の心配がありませんし、必要とあらば室内で手入れもできます。
・ストーブ置き場に
暖房器具にストーブ、もしくは薪ストーブを使うときにも土間はとても便利です。これらの暖房器具には灯油もしくは薪といった燃料が必要なので、室内を汚すことなく燃料の保管場所を作ることができます。また、防犯の観点からも屋内のほうが安心ですよね。玄関の土間に保管できれば安心な上に、燃料が切れたときも寒い外に取りに行かずに済むというメリットがあります。加えて、家具やカーテンなど可燃性の高いものから少し離したところにストーブ・薪ストーブを設置することで、安全面にも配慮できます。
・分別ゴミの仮置き場に
家事を担う主婦(主夫)を悩ませることのひとつに、次の収集日までに分別ゴミをどう保管するか、というものがあります。大家族ともなれば量は多くなりますし、安易に庭に放置すると美観の点でも心配があり、さらには放火などいたずらの対象にならないかと不安になります。このような点でも、土間は実用的です。
・お子様やペットを遊ばせる場に
お子様を遊ばせる場は屋内ならリビング、屋外ならば庭を思い浮かべます。しかし、目の離せない小さなうちはリビングしか選択肢がありません。土間があれば庭代わりとなりますので、安全に、屋外でできる遊びに近いことができます。また、雨の日にも外遊びとほぼ同等の遊び方ができますので、親御さんにとっての心配事がひとつ減ります。ペットの遊び場としても最適です。フローリングは滑りやすいので、犬にとっては足腰に負担がかかると言われていますが、土間があれば、室内ドッグランとして活用できますね。
・家庭菜園やガーデニングの趣味をお持ちの方にも
家庭菜園やガーデニングは、「土」とは切っても切れない関係にあります。必要な道具や資材には土がついてしまいますので、これらを保管する場として土間があるととても便利です。また、プランターや鉢を使ってガーデニングを楽しんでいる方にとって必要なのが、台風など風が強いときにそれらをしまう場所ですが、土間でしたら土がついたものを屋内に持ち込む際にも気にせずに済みます。

2.土間を取り入れる際の注意点
上で触れたように、土間の機能は生活を豊かにしてくれますが、一方でデメリットもあります。屋内でありながら屋外に近いその特性からくるデメリットはどうすれば解消できるのでしょうか。
・土などの汚れが目立ちやすい
自転車やバイク、ベビーカーを持ち込んだり、ストーブ用の燃料を保管したりできるとても便利な土間には、それ相応の汚れがつきやすい場所でもあります。これを防止するために、床部分を滑りにくいタイル仕上げにしたり、水道水栓や排水設備を設置しておけば、ほうきで掃いたり水で洗い流すことも可能です。
・湿気対策が必要
土間には湿気の問題が生じることがあります。これは、外気に触れる外のサッシと、部屋と土間部分を区切るサッシの間に土間という空間があるというつくりから生じるものです。冬場、屋外の冷たい空気と、室内の暖かい空気がぶつかる部分が土間ですので、ここで結露が生じているような状態が起こるのです。この湿気の問題を解消するために、壁に調湿効果のある珪藻土等の自然素材を使用することもおすすめです。また、土間部分にも空気の通り道を確保することも大切です。
・冬場、寒くならないようにするために
土間の設置場所や作り方によっては、寒い場所になることがあります。たとえば、家の中を横断する通路のように作る場合や、部屋の床の高さから一段下げるような場合です。底冷えするような場所となれば、せっかく実用面でのメリットがあっても使いづらい場所となりますので、これを防ぐために床断熱材を導入することで寒さをクリアすることができます。さほど寒くないエリアであれば、しっかりと断熱材を入れることで問題の解消を目指すことも可能です。